特許コラム

2011年1月 5日 水曜日

審査請求料金の引き下げの件

 以前の記事で、審査請求料引き下げが検討されている、ということをお話しました。
 
 先日、その内容について、日刊工業新聞に記事が出ていたので、取り上げさせて戴きます。
 
(リンク切れの場合はご了承願います)
 
「特許庁は特許の審査請求手数料を25%引き下げる方向で調整に入った。2011年夏にも政令を改正し実施する。リーマン・ショック後の世界的な景気後退によって出願件数が急速に減っていることから、料金の引き下げにより企業などの負担を軽減し、研究開発を後押しする。出願料や特許料(維持手数料)については改定を見送る。
 審査請求手数料は、出願した特許の審査入りにあたり支払う手数料。特許関連の料金の中では最も高額で、平均1件20万円程度とされる。引き下げによって5万円程度の負担減となる。
 特許庁は02年の料金改定で同手数料をほぼ倍に引き上げた。特許特別会計の収入が特許料中心になっていることから、特許料下げと請求手数料上げを同時に実施することでバランスを改善するのが狙いだった。」(2011年1月1日 日刊工業新聞)
 
というわけで、まだ具体的な内容の発表とはいきませんが、今年の夏ごろ、25%引き下げということでは概要が明らかになったといえます。
 
今年じゅうに審査請求期限が来る出願がある方は、ご注意下さい。できるだけ、改正の概要が明らかになり、審査請求手数料が下がってから手続きをするようにしたほうが得だと思われます。
 
という記事を正月に書いていたら、1月4日に日経新聞にも同じような内容で記事が出ていましたね。こちらによると、中小企業の減免措置の基準が甘くなる、ということも書かれていました。こちらもご留意下さい。いずれにしても、正式な内容が発表されれば、本ブログでも取り上げさせて戴きます。
 
それから、裁判所HP中に東ソーvsミヨシ油脂の事件の判決文が公開されましたね。
年末年始の休み中にぱらぱらと目を通していたのですが、本ブログでも色々と取り上げてみたいと思っています。
が、きちんと取り上げようとすると、かなりのボリュームが必要となること、更に、「結論からの批評」ではなく、もっと建設的な話をしたいと思っているので、かなりの回数を要することになると思います。
現在、そこのところを準備中ですので、ある程度内容がまとまったら、話を始めたいと思っています。
 
 

投稿者 八木国際特許事務所 | 記事URL

2011年1月 4日 火曜日

あけましておめでとうございます。

 今年も宜しくお願いします。本日より、弊所の勤務が始まります。気分も新たに頑張っていきたいと思っておりますので、宜しくお願いします。
 
 さて、新年ということもありますので、今年の知財業界のことなどを。
 
 ここ数年の知財業界は激しく厳しい変革の時期であるように思います。
 特許出願件数の減少があり、一方では「知財戦略」という言葉が叫ばれています。そんななかで、今までの知財のあり方から別の形へ変化してきているような気がします。
 
 しかし。
知財を取り巻く環境は変化してきていて、今後の知的財産について語られる機会は増えているのに、弁理士業界は特に変化がなくて、「日本の知的財産をどうすべきか」という広い視野からの提言や、意見の発信がほとんどなされていないような気がします。
 
 これでいいのか? ということを最近非常に思います。今、弁理士同士で話していてもこういうことに話題が向かうことが非常に少ないです(決してゼロではないですが)。
 
 こういうところ、理系出身者が多い弁理士業界の宿命ということなのでしょうか。政治・経済の変化を見ながら、知的財産を日本社会のどこに位置づけて、どのような活動をしていくべきなのか、等ということを真剣に考えている弁理士は少ないように思います。
 弁理士の普段の仕事は、技術者と話をしてそれに基づいて明細書を作成する、ということがほとんどですから、経済・社会についてアンテナを張り巡らす習慣が付きにくい、ということもあるかもしれません。事実、過去の私もそういう人間でしたから。
 
 こういうことを真剣に考える人が少ない、という現状は特許業界にとって憂慮すべき事態であるように思います。
 私だって、「誰かそういうことを考えてくれ~」という気持ちがありますが、同時に私も弁理士である以上は、「私はどう思うのか」という考えをまとめていかなければならない、とも思います。
 
 正直なところ、私自身も「これから日本の知的財産はどうあるべきなのか」等という難しい問題について、立派な意見を提案できるなどとは思っていません。しかし、「そういうことに誰か考えて欲しい」と思うのなら、最初に自分が何か意見を言わなければならないのかなぁ、などと思ったりもします。
 
 というわけで、今年のブログではそういったことについても、私が思っていることなども書いていければ、と思っています。
 
 書き始めたときは、まさかこんな結論になるとは思っていなかった今年1回目のブログです。
とはいえ、こういうことを書きつつ、去年と同じように自分なりに自分が思ったことを書いていく、ということになると思います。
 今年もお付き合いいただければ、これほど嬉しいことはありません。
 

投稿者 八木国際特許事務所 | 記事URL

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