特許コラム
2012年3月22日 木曜日
切り餅事件知財高裁判決
地裁判決が出た時点では、こんなに話題になると思っていなかった切り餅事件の知財高裁判決が出ましたね。
yahooのトップページにまで乗るし、NHKのニュースにもなったみたいですね。
とりあえず、2012年3月22日のニュース記事をコピーしておきます。
「包装餅で売り上げトップの「サトウの切り餅」に入れられた切り込みが特許権を侵害しているとして、業界2位の越後製菓(新潟県長岡市)がサトウ食品工業(新潟市)を相手に、製造差し止めと59億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、知財高裁であった。飯村敏明裁判長は請求を棄却した一審東京地裁判決を取り消し、製造差し止めと約8億円の損害賠償などを命じた。仮執行も認めた。(時事通信)」
ううむ。
私個人は、狭い業界でしかも新潟の会社同士でこんな喧嘩をするのは果たしていいことなのだろうか? と根本的な疑問を感じつつ見ていたこの事件でしたが、約8億円の損害賠償の判決となったわけです。
やはり、知財高裁が「プロパテント」(特許による保護を強化)という方向に向かっているのは確定ですね。
その変わり目のタイミングに引っかかった幾つかの会社の方々は不幸なことですが、これからしばらくの間は、どこの会社の方も特許については要注意です。と同時に、特許で訴えようかと迷っているのなら、今は「訴えどき」かもしれないですね。
ただ、被告側のサトウ食品工業さんも、ここまで意地になっていたのは、何か裏事情などがあるのでしょうか。何か「感情のもつれ」のようなものがありそうな雰囲気は感じているのですが、本当のところは当事者にしか分からないのでしょう。
どなたか裏事情をご存知の方がおられましたら、また教えてください。
投稿者 八木国際特許事務所