特許コラム
2012年1月15日 日曜日
年末の判決
最近、ブログの更新をサボっているうちに、東ソーvsミヨシ油脂の知財高裁判決が出ていたんですね。
結果は被告敗訴で損害賠償額も増額されたということです。知財高裁がこのような判断をしたということは、現状では、やはり特許侵害者に厳しい判断を下すということが一つの流れになりそうな気配ですね。
判決の内容云々について今回は書きません。基本的には侵害との結論がでたわけですから、地裁判決に比べて大きく判断基準が変わったわけではないでしょう。問題は損害賠償額の算出基準にあるわけですが、「逸失利益」の内容について、地裁段階でも十分に検討できていないので、高裁の判断基準についてはどうみるか、私も今のところ特に意見はありません。
しかし、これまでこのような高額の損害賠償が出ていなかったところに、地裁が10億円以上の判断を行い、知財高裁もこの高額の損害賠償額を増額したということですから、今後、「プロパテント」の方向に進めようということなのかもしれません。
それがいいことかどうかはひとまず置くとして、いろいろなことの状況が変わっていくのかもしれない、ということは気に留められたほうがいいかもしれません。
投稿者 八木国際特許事務所