特許コラム
2011年7月10日 日曜日
「日本人の知らない日本語」
「日本人の知らない日本語」(蛇蔵&海野凪子 メディアファクトリー)という漫画をこの前買って読みました。1,2と2冊出ています。
何かというと、日本語学校の教師をしている方がそのなかで起こった色々なことをコミックにしている、という内容です。
マンガとして非常に読みやすく書かれているし、内容も面白いので、よく売れているのは当たり前、と思いました。実際問題として、私もこの本で初めて知ったことは非常に多く、勉強になった、というのが最初の感想です。
最近、「グローバリズム」とか「グローバル人材」とかいうことを語られることが多いですよね。そして、
「国際人として生きたいのなら、海外のことに詳しくなろうとする前に自国のことに詳しくならなければならない」
ということもよく言われることです。
このマンガを読んでいると、そういうことにも思いが行くことが多々ありました。
この本のなかで外国人学校の生徒さんたちが先生に尋ねる多くのことは、普通の日本人ならすんなりとは答えられないようなことばかりです。(「花札の「あのよろし」ってどういう意味ですか?」とか、「「お」と「を」は同じ音なのになぜ2つ字があるのか」とか)
こういうところを読んでいて、思い出したことがあります。
何年か前、ちょうど今頃(7月半ば)に大阪に来られたドイツの弁理士の先生と食事をしていた際です。その先生は、大阪訪問中が天神祭りだったため、天神祭を見に行かれた、という話をされていました。そして、
「天神祭はどういういわれのある祭りなのか」
という質問をされました。
その場にいた日本人は誰もその問いにちゃんと答えられませんでした。
でも、そんなことをちゃんと知っている人というのは、非常に少ないように思いますし、日々の会話でそんな話題が出ることもまずありません。
案外、自分たちが日々触れているものについては、「当たり前」すぎて、知らないことが多いのは事実です。また、そういうことに限って、「知ろう」という意識も働かないものです。そして、案外外国人の方と話をすると、そういうところを質問されることが多くなるものです。
そういうことについて、いろいろな知識を与えてくれたという点でも、またそんな「当たり前」の裏にも、色々と面白い背景が隠れていますよ、ということを教えてくれた点でも、このマンガは非常に面白かったです。
投稿者 八木国際特許事務所