特許コラム
2011年2月 9日 水曜日
弁理士の持つ技術知識
最近、ブログを休みがちの八木です。仕事が忙しくて、ブログを書く時間を取りにくい状態が続いています。
しかし、この先ずっとこういう感じだと、ウチと何の取引もない人でもブログの更新状況を見れば仕事の忙しさの度合いが分かる、ということになってしまうわけですね。それは如何なものか、という気がしますが、仕方ないですね。これぞ個人事業主らしさということで。
そんなことはさておき。
最近、今まであまり扱ったことのない技術分野の仕事が何件か続けてありました。それも最近忙しい理由の一つです。なにしろ知識が少ない分野の仕事であると、技術分野の勉強から始めないといけないので、「慣れた分野の出願」よりもずいぶん手間がかかってしまいます。
しかし、大変な反面、初めてお聞きする話に「なるほど」と感心することがよくあります。
感心して、仕事を進めるためにその件についてネットで調べてみると、その件に関する情報はいくらでもでてきて、
「ああ、このことは私が知らなかっただけで、業界の人にとっては当たり前のことなのか」
と思うわけです。
まあ、世の中に存在する技術はとてつもなく多いわけですから、その全てをカバーすることは不可能なので、誰でも知っていることと知らないことがあるのは当然です。
最近の技術というのは、本当に細分化しているので、研究者も自分の分野のことは知っているけれど、それ以外のことは知らない、という状況になっている場合が多いのではないかという気がします。
偉そうに言っていますが、私だって研究をやっている頃、ポリエステル樹脂のことはかなり細かいことまで知っていても、それ以外の樹脂のことは何も知らない、という感じでした。研究やっているとそんなものだ、と思います。
しかし、弁理士を長くやっていると、技術知識の広がり方が変わってきます。
色々な分野について知識がありますが、そのほとんどは浅い知識です。そして、本を読んだり、ネットで調べ物をするときにも、「浅い」知識を「たくさん」集めようとします。
その結果、今の私の頭の中にある技術知識というのは、「あっちゃこっちゃ」でまとまりのない雑多なものです。そういう意味では、研究をずっと続けてこられた方とは違った形の知識の広がりをしている、という気がします。
そういう知識の集め方が好きな人間だから、弁理士になったのかなと最近は思います。独立して益々その傾向は高まっている気がするので、これからも雑多な知識を集めていきたいと思っています。
なんか、取り留めのない話になってしまいました。最近のばたばたの中で考えた雑感でした。オチがないのも忙しいせい、ということで。
投稿者 八木国際特許事務所