特許コラム

2010年12月10日 金曜日

日本弁理士会の決議文

 日本弁理士会のウェブサイトに決議文が出ていますね。
 
「 日本弁理士会は、昨今の特許等出願件数減少傾向を、日本の知財力の低下、ひいては産業競争力の低下をもたらす事態として憂慮している。産業財産権制度の適正な運用を担う責任ある専門家集団である日本弁理士会は、かかる事態を座視することなく、その改善に積極的に取り組むべきと考える。
 そこで、日本弁理士会は、関係する政府等国家機関への提言や喚起を積極的に行うとともに、産業財産権制度の現況と展望を広く知らしめる広報活動の強化や、出願援助制度の紹介など、日本弁理士会独自の緊急施策を立案し、これを速やかに実行する。また、日本弁理士会の会員は、自らの職務を通して、今まで以上に産業財産権の重要性を説き、プロパテント政策に沿った適切な特許等出願に助力するほか、知的財産の価値の維持向上に努力する。
 もって日本弁理士会は、会員とともに、政府が標榜するところの知的財産立国の実現に向けて尽力する。
 以上を総会の総意としてここに決議する。
以上
平成22年度第1回臨時総会(平成22年12月3日開催)決議
 
 
私自身も弁理士会の一員ですから、本ブログ中でこの決議が「間違っている」などと申す資格はありません。そもそも、この決議が妥当でないというなら、こんなブログで呟いている場合ではなくて、弁理士会の総会に行ってその旨を主張すべきでしょう。
 
 が、反面、私が最近知財業界について考えたり、本ブログで述べさせて戴いたりしたようなことは、この決議の内容と必ずしも一致していないように思います。その点で、読みながら微妙な気持ちになってしまいました。
 
 とはいえ、「(私のような)別に有名でもない一弁理士が言ったこと」と「日本弁理士会の公的な決議」とでは重みが全く違うわけです。ですから、「日本弁理士会の公的な決議として発信すべきこと」、が上のような決議であることは妥当だと思っています。
 
 ただ、弁理士だって色々な人がいて色々な考えがあるのは当然のことです。業界全体としてみれば色々な考え方をしている人がいる、ということが業界の活性化には重要なのではないか、と思います。
 
 何が言いたいかというと、要するに私の考え方は日本弁理士会の決議と必ずしも一致していないけれど、私は今までどおり本ブログでは自分の思うことを書いていきますよ、ということです。それは日本弁理士会批判という意味では全くありません。それに、それが知財業界の活性化につながるはず、と私は思っています。


投稿者 八木国際特許事務所

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